この9月にA. J. スミス編の『ジョン・ダン全詩集』の翻訳を完了した。
ペンギン・クラシック版の全詩集を読み始めたのは、2004年7月からだった。
初めは読むだけであったが、分かっていたつもりが再読すると分かっていないことに愕然とし、次にはノートに訳しながら読み進めた。ノートの日付をみると、2008年11月から始めて2011年7月までかかっている。
それを本格的に訳そうと思い立ったのが、同じの年の9月であった。
当初は2年がかりで訳すつもりで臨んだが、ノートの下書きがあったおかげで予定の半分、ちょうど1年(2012年9月)で訳し終えた。
シェイクスピアとともにジョン・ダンを自分のライフワークとして読んでいこうと思っているので、これまで読んではみたものの消化不良のダンの散文、エッセイや書簡、説教集を手持ちの本で訳していこうと思い立った。
訳すに当たっては、散文選集のうち『初期作品集』である『パラドックスと諸問題』、『イグナティウス、その秘密会議』、『種々の散文集』をジョン・ヘイワード編『ジョン・ダン全詩集と散文選集』(ロンドンのThe Nonesuch Press刊、初版は1929年、翻訳には1932年の第3版を使用)より、書簡集はP. J. オリヴァー編『ジョン・ダン書簡選集』(2002年、Carcanet Press刊)から、説教集は、エヴリン・シンプソン編『ジョン・ダンの詩篇と福音書に関する説教集』(University of California Press刊、初版1963年、2003年の再版第2版を使用)を用いる予定である。
書簡や説教集はヘイワードの本にも収められているが、同じ選集でも採録している数の多い方を用いるだけで他意はない。
訳している間に、これらの完全本を入手することができれば全訳も試みてみたいと思っている。
(2012年9月吉日)
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