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数年前からジョン・ダン(1572‐1631)の詩を読むのに、ノートに自分なりの訳を書き留めていた。それは翻訳と呼べるものではなかったが、その下手な自分の訳を参考にしながら、再読を重ねているうちに本格的に訳してみようと思いたった。

ジョン・ダンの全詩集翻訳はすでに湯浅信之氏によって出版もされている(1996年12月、初版第一刷、名古屋大学出版会より)ので何も目新しいことはない。

一人で読み進めている時もこの全訳を手元において参照してきた。だからいまさら自分でなぜ全訳をということになるのだが、一連のフランス詩を『月下の一群』などに訳した詩人の堀口大学がかつてこのようなことを言っていた。好きな詩は自分で訳すことによって自分のものにすることができると。

自分もそれにならって、ダンを自分のものにするために、自分の言葉で自分のために訳していきたいと思っている。しかしながら、大半は湯浅信之氏の訳(解釈)に負うところが大である。

全訳に当たっては、1971年初版で、1996年再版改定、A.J. Smith編纂のペンギン版’John Donne/ The Complete English Poems’をテクストに、サブ・テクストとして1985年初版、1994年新版、C.A. Patrides編纂のエヴリマン版を参考に使用し、注釈については手持ちのその他の編集本を参照していくつもりである。

詩の分類はA.J. Smithに従い、その分類での詩の順序も彼の編集に従うが、各分類の訳出の順番については自分の気分任せで進めていく。

(2011年9月吉日)

ジョン・ダン全詩集、2012年9月、完訳。

        
 
唄とソネット
エレジー
婚礼祝歌
エピグラム
諷刺詩
魂の遍歴
書簡詩

挽歌と葬送歌

記念日の歌

宗教詩

 

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