2014英国観劇旅行
 
  No.5 Two Gentlemen of Verona 『ヴェローナの二紳士』      No. 2014-33-05
 

この作品(演出)は本で読むより舞台の方が圧倒的に面白いと思った。
演出では時代をぐっと現代風にして、舞台を最初はレストランにして、開演前から舞台上ではこのレストランが店開きをしていて、テーブルでは食事をしている男女や、僧服を着た人物がやってきたりしている。 
かたわらにはアイスクリームを売るボックスがあり、給仕役の恰好をした俳優が少年たちを舞台上にあげて、アイスクリームをふるまったりしていて、まことに和やかで明るい雰囲気であった。 
ジュリアの侍女ルーセッタはこのレストランの女給役という設定になっている。 
開演の場では、そのレストランでミラノに旅立つヴァレンタインと親友のプローテュースが別れを惜しんでいる。 
場面が変わってのミラノの町は、華やかな都会で、若者たちがディスコで踊りを楽しんでいる。 
休憩後の2幕では、舞台は森の風景に一変し、ヴァレンタインと彼の召使いスピードが山賊の罠にかかって天上高く吊るし上げられるが、ヴァレンタインの容貌にただならぬものを感じた山賊たちは自分たちの頭に祭り上げる。 
プローテュースに裏切られたことを知ったヴァレンタインは、彼の顔面を何度も水瓶の中につけ、最後はピストルを向けて撃ち殺す様子を示すが、その手を押さえて止めるのはヴァレンタインの恋人シルヴィアで、ここらあたりの場面は少し原作と異なるが、読む限りにおいてはヴァレンタインが自分を裏切ったプローテュースを許すのが不自然な感じがするのに、この演出で何となく受け入れやすいものとなっている。 
原作との関係で期待度が低かったのに反比例して、音楽も含めて、楽しい舞台であった。 
プローテュースの召使いランスの連れている犬の芸にも心が和まされた。 
上演時間は、休憩20分を挟んで2時間40分(13:15−16:00)。

 

<私の感激満足度> ★★★ 
<キャステイング> 
ヴァレンタイン:マイケル・マーカス(Michael Marcus)
プローテュース:マーク・アレンズ(Mark Arends)
スピード:マーティン・バシンディル(Martin Bassindale)
ランス:ロジャー・モーリッジ(Roger Morlidge)
ジュリア:パール・チャンダ(Pearl Chanda)
ルーセッタ:リー・クィン(Leigh Quinn)
シルヴィア:サラ・マクリー(Sarah Macrae)

 

(作/ウィリアム・シェイクスピア、演出/サイモン・ゴドウィン(Simon Godwin)、
8月21日(木)昼、ロイヤル・シェイクスピア・シアターにて観劇。
チケット代:24ポンド、プログラム:4ポンド、座席:サークル(2階席)、C列27番
(椅子が高く止まり木のようになっていて不安定な気持)

 

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