あなたの眼を愛します。その眼は私を憐れむかのよう
あなたの心が私を軽蔑で苦しめるのを知っているから
その眼は黒い衣裳をつけて、愛する人の哀悼者のよう
私の苦しみを可憐な同情心で見つめるから
まこと、大空に昇る朝の太陽が
東の灰色の頬にふさわしくあろうと
夜の到来を告げる宵の明星が
暗い西の空にどんなに輝こうと
あなたの顔にふさわしい悲しみに沈む二つの眼にはかなわない
ああ、それゆえにあなたの心も同じように
私のために悲しむのにふさわしくして下さい。哀悼こそあなたにふさわしいのですから
そしてすべての部分にあなたの憐憫の衣裳をまとって下さい
そうして下されば美の女神は黒だと誓い
あなたの色に欠けるものすべてが醜いと断言します
【私の鑑賞】
彼女は詩人を軽蔑の心で苦しめる。彼女は詩人を近づけさせてはくれない。
だが、彼女の眼は喪服のように黒いので、詩人のことを会葬者のように同情しているように見える。
明け方の朝日は東の空にふさわしく、宵の明星は西の夜空に似つかわしいが、彼女の顔にふさわしい悲しみに沈んだ黒い瞳にはおよばない。
だから彼女の心にもその眼のように詩人を憐れんでほしいと頼む。
彼女がそうしてくれさえすれば、詩人は美の女神は「黒」であると誓うという。