かつて「黒」は美のうちに入らなかった
ものの数であったとしても、「美」の名前を与えられなかった
それが今では「黒」は「美」の嫡流の後継者となり
「美」は庶子の汚名で名誉を汚されている
今では誰もが自然の女神の力を奪って
偽造した借り物の顔で醜くさを美しく装い
自然の美は評判を落とし、聖なる館を失い
汚辱を受けなくとも、神聖を汚されている
そういう次第で私の恋人の眼は鴉のように黒く
彼女の眼がそのように装い、会葬者のように見えるのは
美しく生まれついてもなく、美に欠けている人たちが
偽造の美で自然の美を汚しているのを見るから
だが彼女の眼が会葬者のように嘆くので、その悲しみにふさわしく
美とはそうあるべきだと誰もが口をそろえて言うのだ
【私の鑑賞】
ここよりダ―クレディの始まりとなる。
いつの世でも美の基準は変化する。
かつて美人といえば、色が白く、髪は金髪かブロンド。
それが今では褐色を帯びた顔色が美人となり、人々は競って化粧でそれを装い、自然の美しさは失われた。
ひところ、ガングロが女の子(ギャルという語も今では古臭い?!)の間で流行したが、あっという間に消え去ったことを思い出す。