君主の天蓋を担ぐことが私にとって何だというのか
外見を飾り立てる栄誉や
永遠を求める強大な礎を築くことは
束の間の破滅や破壊の証ではないか
容姿や寵愛を頼りとする者が
元金以上支払って、一切を失い
複雑な味を求めて自然の味を見捨て
虚飾に費やした哀れな驕れる者たちを見てこなかったか
いや、君の心に心から仕えさせてほしい
そして貧しくとも物惜しみしない私の捧げものを受けてほしい
それは混じりけなしの、作為のないもの
君の愛への私の返礼に過ぎない
立ち去るがいい、偽証者よ、真の魂は
どんなに強く告発されようとも、たじろぐことはない
【私の鑑賞】
世間的、外見的な栄誉も結局は破滅と破壊を免れない。
容姿を自慢し、寵愛を誇ったところで、そんなものは現世の借りものに過ぎない。
やがては自然に帰すもの。
だから虚飾を求めるより、本来の姿に立ち返るべきだと詩人はいう。
今こそその混じりけのない、作為のない私の愛を心素直にして受けてくれと詩人は青年に訴える。
これまでさんざん中傷誹謗で告発されてきたが、偽証者よ、今こそ立ち去るがいい。
非難を受ければ受けるほど、真の魂は強くなると、詩人は達観の境地に至ったかのよう。