このように私を告発してほしい。つまり君の
大いなる美点に払うべき敬意をまったく怠り
君の最も高貴な愛に訴えることを忘れたことを。
私はその愛の絆に日々縛られているというのに。
また私は君の知らない人とたびたび付き合っては
君が高価な代価を払って得た私のための時間を無駄にした。
また八方美人よろしく誰に対しても帆を挙げて進み
君の眼の届く処から遠ざかってしまった。
私の故意の罪や過失による罪を記録し
確かな事実に憶測を付け加えてもかまわない。
君の勘気にふれるようなことがあっても
憎しみで私を射るようなことはしないでほしい。
私の上訴は君の変わらぬ愛の強さを
試そうと努力したと言っているのだから。
【私の鑑賞】
詩人は法律用語を持ち出しては自分を責める一方で、その弁護の抗弁をする。
告発の内容は、詩人が青年の愛の絆に縛られているにもかかわらず、八方美人的に誰にも愛想をまき、はては青年とも遠ざかってしまったことである。
しかし詩人は青年に対して、自分の行為が勘気にふれるようなことであっても、それを憎しみの眼で見ないでほしいという。
詩人がそんな行為に及んだのは、青年の愛の不変と愛の力を試そうとしただけであると抗弁する。