82 虚飾の詩

 

君が私の詩神と結婚したわけではないのを認める、

だから不実でも何でもないのだ、

他の詩人が書いた献呈の詩を精読し、

君の美しさを主題にした詩集を祝福するのは。

 

君は容貌だけでなく知識も優れていているので、

君の価値は私の称賛を超越している、

だから新しいものを求めるのも無理はない、

最先端の流行の目新しい描写を求めるのは。

 

だから、そうするがいい、愛する人よ。だが彼らが作り出したのは

誇張した筆致が編み出した修辞でしかない、

君は、本物の美であり、正しく描かれるべきものだ、

率直な言葉で君のことを忠実に語る友人の手で。

 

  彼らの施す厚化粧は、頬に血の気が必要なものに

  使われて然るべきもの、君にとってはお門違いだ。

 

 

【私の鑑賞】

青年の美しさを称賛するのはこの作者の専売特許ではない。だから誰でも彼を称賛する詩を書くことができるし、青年がそれを喜んで読んだところで不実なことでもない。

だが他の詩人が書いた詩は、流行の先端を行く描写であってもそれは所詮作り物であり、虚飾の詩でしかない。

青年の美しさは本物の美であり、それは虚飾の言葉(厚化粧)で書かれるべきものでなく、率直な言葉で書かれるべきものである。

作者は自分の詩こそ、青年の美しさを率直に忠実に伝えるものであることを誇示している。

自分の詩は真実の詩であり、他の詩人の詩は虚飾の詩であると。