私が生き残って君の為に碑文を書くことになるか、
或いは君が生き残って私が大地に朽ち果てるのが先か
いずれにしろ君の記憶はこの世から消えることはない、
たとえ私のことがすべて忘れ去られようとも。
君の名前は死んだ後も不滅の命を保つが、
私は死んでしまえば、この世から完全に消えてしまう。
大地は私にはありきたりの墓を授けるだけだが、
君は人々の目の中に焼き付いて残る。
君の記念碑は私の高貴な詩そのものであり、
まだ生まれていない目がそれを精読し、
まだ生まれていない舌が朗読することになるのだ、
今生きている人々がみな亡くなった後に。
私の筆には、君を永遠に生き続けさせる力がある、
人々が生きている限り、その詩を口ずさむことで。
【私の鑑賞】
詩人の存在は忘れられても、詩人が書いた青年の墓碑銘が、後の世まで読み継がれ、青年は永遠に生き続けると詩人は言うけれど、実は詩人の詩が永遠に読み継がれることで、不滅なのは詩人である。
詩人は青年の永遠を語ることで自分の筆(=詩)の力を誇っている。