77 教 訓

 

君の鏡は、君の美しい顔が色褪せて行くのを見せるだろう、

君の日時計は、君の大切な時間が無駄に過ぎて行くのを見せるだろう、

空白の頁は、君の心が刻印した思いを伝えるだろう、

そしてこの書物から、君はこの教訓を学ぶだろう。

 

君の鏡が忠実に映し出すその皺は

大きく口をあけた墓穴を君に思い出させるだろう。

君は日時計の影の忍び足から知ることができる

「時」が密かに永遠に向かって進むのを。

 

君の記憶力に留めることができないものを何でも

この空白の頁に書き留めれば、

君の頭に浮かんだ未熟なことが成長するのを見て

君の「心」が新たな知遇を得ることになるのだ。

 

  鏡や日時計の仕事を見れば見るほど

  君の利益となり、君の書物を豊かにする。

 

 

【私の鑑賞】

鏡は容貌の移ろい行くのを見せ、日時計は時の移ろいを示す。

鏡を見ることや日時計を見ることで、時がゆっくりと「永遠」に向かって進んでいくのを知ることができる。

書物の余白に書きとめた感想を、時を経て読み返せば、その時未熟であった考えも成長し、新たな思いとなる。

人はときどき自分を見つめなおすことが必要であり、そうすることで自分を豊かにすることもできる。