君の鏡は、君の美しい顔が色褪せて行くのを見せるだろう、
君の日時計は、君の大切な時間が無駄に過ぎて行くのを見せるだろう、
空白の頁は、君の心が刻印した思いを伝えるだろう、
そしてこの書物から、君はこの教訓を学ぶだろう。
君の鏡が忠実に映し出すその皺は
大きく口をあけた墓穴を君に思い出させるだろう。
君は日時計の影の忍び足から知ることができる
「時」が密かに永遠に向かって進むのを。
君の記憶力に留めることができないものを何でも
この空白の頁に書き留めれば、
君の頭に浮かんだ未熟なことが成長するのを見て
君の「心」が新たな知遇を得ることになるのだ。
鏡や日時計の仕事を見れば見るほど
君の利益となり、君の書物を豊かにする。
【私の鑑賞】
鏡は容貌の移ろい行くのを見せ、日時計は時の移ろいを示す。
鏡を見ることや日時計を見ることで、時がゆっくりと「永遠」に向かって進んでいくのを知ることができる。
書物の余白に書きとめた感想を、時を経て読み返せば、その時未熟であった考えも成長し、新たな思いとなる。
人はときどき自分を見つめなおすことが必要であり、そうすることで自分を豊かにすることもできる。