君が非難を受けるのは君の欠陥とは思わない、
中傷の的は美しい人につきものだったから。
疑惑は美を飾り立てるもので、
美しい空を天翔る鴉のようなものだから。
君が善である限り、中傷は
時代が求める君の価値を強調するだけだ。
害虫は最も美しい蕾を好むもの、
君は純粋で、汚れのない、青春の真っ盛り。
君は青春の日々を誘惑の待ち伏せから無事切り抜け、
攻められることもなく、攻められても、打ち勝った。
だがこの君への称賛は、悪意を止める称賛と
なるには至らず、悪意は常についてまわった。
不品行の疑惑が君の姿に影を落とさなければ
その時こそ君は心の王国を一人占めするものを。
【私の鑑賞】
美しいものには中傷はつきもの、だから中傷は青年の欠陥とはならず、むしろ美の勲章とも言える。疑惑は美の装飾とはいえ、天空を飛ぶ鴉のように、不吉な影を落とす。
悪意は害虫と同じく美しいものにとりつく。青年もまた純粋で美しい。だから悪意は常に青年に付きまとう。
青年が善である限り、中傷も青年の価値を高めるだけである。しかし青年への称賛も悪意を抑えることができず、悪意は自由に動き回る。
詩人は、青年の不品行の疑いが傷となって心の王国を一人占めすることができないと言う。