68 偽りの技巧

 

そのように彼の頬は過ぎ去った日々の縮図である、

美は今と同じように花のごとく咲いては凋んだ。

以前にはこれらの美の私生児が幅を利かせることも、

生きている者の額に大胆に住みつくこともなかった。

 

以前には死者の金色の髪の房は、

墓場の権利として、刈り取られることもなく、

二人目の頭で第二の生を送ることもなかった。

死者の美しい髪が他人の飾りとなることはなかった。

 

彼の中にこそ聖なる古の時代が見える、

飾りとてなく、あるがままの真実で、

他人の緑の衣裳で夏を装うこともなく、

古人から盗んで新しく美を飾ることもない時代が。

 

  自然の女神が縮図として彼を蓄えておくのは、

  偽りの技巧に昔の美がどんなであったかを示すため。

 

【私の鑑賞】

現在の虚飾の時代に本物の美はなく、あるのは見せかけの美だけである。

見せかけの美は、化粧で頬を染め、鬘で頭を飾り立てた美しさであり、それは私生児のようなもので、美の嫡男ではなく、偽りの技巧である。

自然が彼をこの世に残したのは、その偽りの技巧に本物の美を示すためである。