永遠の真鍮、石の建造物、堅い大地、果てしない海も、
みな、死の定めに支配される。
美は、死の怒りの前にどんな訴訟を起こすというのか、
その訴訟の力は一輪の花よりも強くはないというのに。
夏の日に甘い香りを放つ花はどのようにして
破城攻撃の破滅的包囲を凌ぐことができよう?
堅固な岩盤も、頑丈な鉄の門も
「時」の前には屈するというのに。
ああ、考えるのも恐ろしい!どこに
「時」の至宝を「時」の柩から隠せるというのか?
どんな強力な手が「時」の早足を抑え、
誰が「時」の美の略奪行為を禁じえよう?
誰にもできはしない。できるのは、この黒いインクの中で
私の愛する人が永遠に輝きを失わないという奇跡の力だけ。
【私の鑑賞】
「時」の前には、永遠と思われていた真鍮の記念碑も、石の建築物も、堅い大地も滅びる運命にある。
ましてや夏の日に芳しい香りを放つ花の美しさは「時」の手から逃れる術はない。
誰にも「時」の暴力的手から「美」を略奪する行為を止めることはできない。
だが、ここに奇跡がある。
詩人がインクで書きとめる詩の中に、私の愛、私の恋人は永遠に生き続けるのだ。
詩人は、自分の詩が永遠に人々の心に残ると信じている。
詩人の詩に奇跡の力があると信じている。