麗しき愛よ、おまえの精力を蘇えらせよ、そして
おまえの切っ先を情欲より鈍いと言わせるな。
今日食べさせてその情欲を鎮めたところで、
明日には元の力に研ぎ澄まされるだけだ。
だから、愛よ、変わらずにいるのだ。今日満たされて
おまえの飢えた目を満腹感で閉じようとも
明日は再び目をあけるのだ。そして、
いつまでも惰眠で愛の活力を殺いではならない。
この悲しい一時(いっとき)を海原と見なせば、
岸を隔て、新しく婚約した二人が
毎日その岸辺にやってきては、
愛が戻って来るのを見て、いっそう幸福となるように。
それを冬と呼べば、気苦労は多くとも、
夏の到来が幾重にも望ましく、貴重なものとなる。
【私の鑑賞】
情欲は満たせば、またその情欲に火がついて渇きを増す。
情欲は、満たされることなく募るばかりである。
二人が別れ別れでいれば、その情欲も満たすことはできない。
二人の悲しい別離は、二人の間に大洋があると考えよう。
二人は毎日その両岸にやってきては、愛の気持を高め合う。
二人を分かつこの別離の時を冬と思えば、二人の再会は、待ちに待った夏の到来にも勝る。
満たされない愛の別離を自ら慰める詩。