しっかり眼を閉じるとき、そのときこそ最もよく見える、
昼の間は、眼はぼんやりとしか見ていない、
だが、眠れば夢の中で君が見え、
眼は、闇に輝き、闇の明かりに導かれる。
すると、君の影が闇を明るく照らし、
君の影の実体が、幸せな光景を結ぶ、
君の照り輝く光が、昼間に姿を出せば、
見えない眼にも、君の影はかくも光り輝く!
私の眼はどれほど幸せになることだろう、
昼日中に君を見ることができれば。
真夜中、君の美しい実体のない影が
見えない眼の、深い眠りの中にあるように。
君を見るまでは、昼も夜でしかない、
夢で君の姿を見れば、夜も昼と輝く。
【私の鑑賞】
詩人は青年と別れて、会うことはかなわない。
昼間は、なすこともなく、ただぼんやりと過ごすだけ。
だが、夜、眼をつむれば、そこには青年の姿がくっきりと浮かぶ。
青年の影の姿は、夜の闇の中で輝く。
青年の美しい輝きは昼の明るさにも勝る。
夜、こうして青年の影の姿に会えるのだから、昼に実際に会えればどれほど幸せなことか。
青年に会えない昼は、詩人にとって闇の夜でしかない。
だが、夢で青年に会える夜は、詩人にとって真昼と同じ輝きである。