美しい友よ、君は私にとっては老いることのない存在だ。
君は私が初めて目にした時のまま
君の美しさは変わらずに見える。あれから寒い冬が
森から三度夏の輝きを追い立てた。
緑なす美しい春は三度黄葉の秋に変じ
四季の移ろいを私は目にしてきた。
薫風の四月は三度六月の灼熱に燃えたが
君を初めて見たときの瑞々しさは、今なお新鮮だ。
ああ、だが美しさというものは、時計の針のように
時を盗みながらも、その変化の歩みを覚られないものだ。
そのように君の美しい顔も、私にはいつまでも変わらずに見えるが
実は変化しているのに私が気付かないだけなのだ。
まだ生まれざる者よ、心するがよい、私が恐れるのは
君たちが生まれる前に最善の美が滅ぶことだ。
【私の鑑賞】
詩人が青年と出会って早や三年。
青年の美しさは三年前と全く変わらない(ように詩人には見える)。
だが季節は三年の間絶えず変化して、新緑は黄葉し、四月に薫り高く咲き誇った花も、六月の暑さに枯れてしまった。
時は進んではいても(時計の針の進むのに気付かないように)見えない。
そのように詩人も青年の美しさが老いていく変化に気づかず、今もなお青年は変わらないと信じている。
青年は詩人にとって老いることのないように思われるが、実際には変化していて、詩人は後世の者たちが生まれてきたときには、最善の美が滅んでいることを恐れるという。
詩人はかつてのように自分の詩で青年の美しさを永遠に残すということを謳うのを忘れたかのようである。
三年という歳月が詩人の気持にどのような変化をもたらしたのか。