100 怠惰な詩神

 

詩神よ、おまえは一体どこへ行ってしまった?そんなにも長い間

おまえに一切の力を授けたものについて語るのを忘れてしまったとは。

つまらぬ唄におまえの詩の熱情を無駄に費やし、

下等な主題に光を注ぎおまえの力を曇らせたのか?

 

戻ってくるがいい、忘れん坊の詩神よ、そしてすぐにも

高貴な詩を作ることで、無為に過ごした時を償うのだ。

おまえの唄に耳を傾け、おまえの筆に

技巧と主題を授けたものに謳いかけよ。

 

怠惰な詩神よ、眼を覚まし、私が愛する人の美しい顔を見よ、

「時」がその顔に深い皺を刻んでいないかどうかを探り、

もし少しでもあれば、衰退を諷刺する詩を書き、

「時」の略奪行為をあまねく侮るがいい。

 

  「時」が破滅を招くより早く私の愛する人が名声を得れば、

  「時」の大鎌、小鎌の手を逃れることができるというものだ。

 

 

【私の鑑賞】

詩神は詩心であり、詩人は長らく愛する青年を賛美する詩を書くことを怠っていた。

詩人は自らの怠惰を叱咤し、青年のことを謳うことを自らに促す。

詩人が青年のことを語ることを忘れていた間に、青年の美しい顔に、時の移ろいが皺となって刻みつけられていないかどうかよく見つめよと言う。

たとえそこに皺を見出そうとも、詩人の詩によって「時」を侮ってやれば、たちまち青年の衰えを招いた「時」も諷刺の対象と化し、青年を衰退の道から防ぐことができると謳う。

詩人は自分の詩の力を信じ、愛する青年が名声を得れば(すなわち詩人の詩が名声を得れば)「時」の力に勝ることを誇る。