6 冬の荒れた手に

 

冬の荒れた手に、汚させてはならない、

君の夏を、君が蒸留されるまでは。

いずれかのガラス瓶に芳しい香りを詰め、とある場所に

美しい宝を秘蔵するのだ、美が自滅する前に。

 

その利益は、禁じられた利息ではなく

喜んで借りを返す人たちを幸せにするもの。

それは君のためにもう一人の君を産むことであり、

一つが十となれば十倍も幸せというもの。

 

十倍の君は一人の君より十倍も幸せというもの、

十人の君の子どもが十倍の君の姿を作り出すなら。

たとえ君が死んでも、死に何ができよう、

君の子孫の中に君が生き続けるのだから。

 

  意地を張るのはよすのだ、君はあまりに美しいので、

  死も征服し難く、蛆虫を君の跡継ぎにするわけにいかない。

 

 

【私の鑑賞】

冬の荒々しい手で君の美しさを汚させてはなりません。

君の美しさが消滅する前に、宝物として保存し、秘蔵するのです。

そこから産まれる利益は禁じられた利殖行為ではありません。

君という一人の存在から十人の子供が生まれれば、君の美しさは十倍となって生き続けるのです。

君は独身を通し、死の餌食となって、蛆虫を君の後継者とするには美しすぎます。

意地を張るのをやめて、君の美しさを伝える子どもを作り、十倍の美を残すのです。