冬の荒れた手に、汚させてはならない、
君の夏を、君が蒸留されるまでは。
いずれかのガラス瓶に芳しい香りを詰め、とある場所に
美しい宝を秘蔵するのだ、美が自滅する前に。
その利益は、禁じられた利息ではなく
喜んで借りを返す人たちを幸せにするもの。
それは君のためにもう一人の君を産むことであり、
一つが十となれば十倍も幸せというもの。
十倍の君は一人の君より十倍も幸せというもの、
十人の君の子どもが十倍の君の姿を作り出すなら。
たとえ君が死んでも、死に何ができよう、
君の子孫の中に君が生き続けるのだから。
意地を張るのはよすのだ、君はあまりに美しいので、
死も征服し難く、蛆虫を君の跡継ぎにするわけにいかない。
【私の鑑賞】
冬の荒々しい手で君の美しさを汚させてはなりません。
君の美しさが消滅する前に、宝物として保存し、秘蔵するのです。
そこから産まれる利益は禁じられた利殖行為ではありません。
君という一人の存在から十人の子供が生まれれば、君の美しさは十倍となって生き続けるのです。
君は独身を通し、死の餌食となって、蛆虫を君の後継者とするには美しすぎます。
意地を張るのをやめて、君の美しさを伝える子どもを作り、十倍の美を残すのです。