私の詩神が題材を欠くことなどありえようか、
君という存在が私の詩に注いでくれる
君自身の甘い調べはあまりに美しく、
へぼ詩人には詩にすることもかなわない。
ああ、君自身に感謝せよ、私の詩に何か
君の眼に読むに値するものがあるとすれば。
君に対して書けないなどと、どうして黙っておれよう、
君自身が創造の光を与えてくれているというのに。
君は十番目の詩神となり、その値打ちは十倍以上ある、
並みの詩人が呼びかける昔ながらの九人の詩神に較べれば。
君を訪れる者に産み出させるがよい、
とこしえに生きながらえる永遠の詩を。
私のとるに足りない詩がこの気難しい時代を楽しませるとすれば、
作る苦労は私が負い、受ける称賛は君のものである。
【私の鑑賞】
並みの詩人は、昔ながらのミューズに頼って詩を書くが、私にとっては、君自身が私のミューズだ。
君が注いでくれる甘い調べは美しすぎて、へぼ詩人には詩にすることすらかなわない。
私の書いた詩が読むに値するとすれば、それはすべて君のおかげである。
君という存在が私に創造の光を与えてくれた賜物である。
だからこの気難しい世の中で、私の詩が少しでも人を楽しませることができるとしたら、作る苦労は私がするが、その称賛は君が受けるものである。