33 太陽が翳ろうと私の愛は

 

どれだけ多くの輝かしい朝を見てきたことだろう、

山々のいただきを王者のV眼まなこで惑わし、

緑の草原を黄金の顔が口づけし、

天の錬金術で青白い小川を金色に染めたのを。

 

だが、やがて暗雲が押し寄せ、

醜いちぎれ雲が天の顔にのしかかり、

みじめな世界からその顔(かんばせ)を覆い隠し、

その汚辱を抱いたまま、ひっそりと西へ行く。

 

私の太陽もある朝早くそのように輝いて、

栄光の輝きで私の額を照らしたが、

悲しいかな、彼が私のものであったのは束の間、

今は空行く雲が私から彼を覆い隠してしまった。

 

  だがそのことで、私の愛は彼を少しも蔑むことはない、

  天の太陽が翳り、地上の太陽が翳ろうとも。

 

 

【わたしの鑑賞】

私に希望を与え、悦びをもたらしてくれた君、

太陽とも仰ぐ君、

その君が、空の太陽が暗雲に覆われ、姿を隠すように、

私の元から消えていった。

だが、去って行っただけなら、どうして蔑むことなどあろうか。

あえて彼を少しも蔑まないという言葉が、

実は詩人の心に刺となって刺さっていることを感じさせる。