鏡に映る顔を見て言いなさい、
今こそもうひとつの顔を作る時だと、
若々しいその顔をいま新しくしなければ
世間を裏切り、母となるべき人を不幸にします。
まだ誰にも耕作の手を加えられていない美しい処女で
君が夫として鍬入れするのを拒む娘などどこにいる?
それに子孫も残さずに自己愛の
墓としてしまう、そんな愚かな男などどこにいる?
君は母上の鏡、君を見て母上は
自分が美しかった盛りの四月を思い出します。
君も老いた眼で見ることができるのです、
皺にもかかわらず、君の黄金時代を。
人に思い出されもせず生きるつもりなら、
独身のまま死ぬがいい、君の面影は君とともに消え去るのだから。
【私の鑑賞】
君は鏡を見て自分の美しさに見惚れて自己愛にふけるのではなく、今こそ君の美しさを伝え残すことを考えるべきです。
君のお母さんだって君を見て自分の若く美しかった時を思い出すことができるのです。
君も結婚して子どもを残し、自分が年老いた時成長したその子を見て、自分が若くて美しかった時を思い返すことができるのです。
結婚して子供を作り、その子によって君の美しさをいつまでも覚えていてもらうべきです。
君のためにも、そして世の中の女性のためにも君は結婚すべきです。