心慰む境地にどうして戻ることができるというのか、
休息の恩恵から見放されているというのに。
昼間の疲れは夜安まることもなく、
昼は仕事に疲れ、夜は物思いに苦しむ。
昼と夜は互いにそれぞれの領分で敵対しているのに、
私を苦しめることでは手を握り合っている、
昼は労役に苦しみ、夜の嘆息は
はるかな旅路で、君からいっそう遠ざかるため。
「彼が明るく照らすから大丈夫」と言って喜ばせ、
昼にお世辞を使うのは、雲に覆われ暗くなる時。
墨を流したような暗い夜をおだてるのは、
きらめく星が輝かなくとも、「彼が夜空を輝かすから安心」だと。
昼はひもすがら私の悲しみを長引かせ、
夜は夜(よ)もすがら悲しみの長さをいっそう深める。
【私の鑑賞】
27番のソネットに続く。
昼は仕事に疲れ、夜は彼を思う気持で物思いにふけることで、詩人の心は安まるときがないと言って嘆く。
昼と夜は互いの領分があるはずなのに、詩人を苦しめることでは同盟を結んでいるかのようである。
詩人はそんな昼と夜に対しておだて、お世辞を使う。
昼間、太陽が暗雲に包まれても彼がいることで昼は明るく輝き、夜は星が出なくても彼が暗黒の夜を輝かすから安心だと、詩人はそう言って自らを慰めようとする。
しかしながら、昼は昼で悲しみの時間を長く感じ、夜は夜でその悲しみの長さがいっそう深まるのみであると言っては嘆く。