舞台に立った大根役者よろしく
恐怖で自分のせりふを忘れてしまうように、
あるいは、何か恐ろしげなものが、怒りに駆られ、
自分の怒りの激しさに勇気まで挫いてしまうかのように、
私は、自分に自信を失くして、
恋の儀式のせりふを言うのをすっかり忘れてしまう、
そして自分自身の恋の激しさで衰弱し、
自分自身の恋の力の重荷に押しつぶされる。
ああ、ならば私の台本に雄弁に語らせよ、
語らんとする私の胸の無言の先触れとし、
愛を嘆願し、愛の見返りを求め、
多くの言葉で多くを語る舌よりも雄弁に。
ああ、沈黙の愛が書いたものを読みとってほしい!
目で聞くことこそ愛を知るすばらしい知恵。
【私の鑑賞】
私の愛は、あまりに強く、あまりにも激しいので、
未熟な役者が舞台に上がった時のように、
すっかり自分の台詞を忘れてしまい、
自分の愛の重荷に押しつぶされてしまった。
それならば、私の詩をもって
私の愛の気持を語らせよう。
口に出された言葉より、その詩を読むことで
私の愛を汲みとって欲しい。