22 君の心は私のものだから

 

私が年老いたなどと鏡に言わせはしない、

君が若さと一体である限り。

だが時が刻む深い皺を君に見ることになれば、

その時こそ死が私の命を終わらせる時であってほしい。

 

君が身につけるすべての美は

私の心を飾る衣裳であり、

私の心は君の胸に、君の心は私の胸に住む。

それで私が君より早く老いることなどどうしてありえよう?

 

ああ、だからこそ、恋人よ、君自身を大事にしてほしい

私も自分のためではなく、君のために気をつけよう、

君の心を抱いているのだから、それを用心して守るのは

やさしい乳母が赤ん坊を病気から守るのと同じことなのだ。

 

  私の心が死んだとき、君の心を取り返そうと思ってはならない、

  君が君の心をくれたのは、私から取り戻すためではない。

 

 

【私の鑑賞】

詩人は、自分が青年のことを想うことによって、二人の心は一心同体と考える。

詩人は、青年と一心同体であるので、自分が老いているとは思わない。

しかしそれゆえに、青年の額に深く皺が刻まれるときがくるときには、詩人は死を望む。

詩人が青年を慈しむのは、自分のためではなく青年自身のためであり、自分も青年のためにその身に気を使う。

青年はその心を詩人に与えたのだから、決して取り戻そうなどとは考えてはならないということで、詩人に対する愛の永遠を守らせようとする。