私はかのような詩人と同じではない、
厚化粧の美しさに感動して書く彼の詩は、
天上界そのものを装飾品に使い、
彼の美人をあらゆる美しいものに譬えて語る、
過大な比較をしては結びつける、
太陽と月、大地と海の秘宝、
四月の先駆けに咲く花と、天の大気がこの巨大な球体に閉じ込めた
すべての類(たぐ)いまれなる美しきものと。
ああ、恋に忠実な私に本当のことだけを書かせてほしい、
そして私を信じてほしい、私の恋人の美しさは
どんな人にも劣らないということを、たとえ
天上界に取り付けられた黄金の蝋燭のように輝かないとしても。
うわさ話しを好むものにはもっとさせればよい、
私は売りこむために賛美するつもりはない。
【私の鑑賞】
私は天上や地上におけるあらゆる美しいものに自分の恋人を譬える詩人とは異なる。
私は恋に忠実だから、本当のことだけしか書かない。
だから私の書いたことは信じてほしい。
詩人はそう書くことで、逆説的に青年の美が類いまれなことを主張している。
そうして実は、詩人は自分の詩がほかの詩人たちのように虚飾の言葉で飾りたてたりしていないことを誇ってもいる。
ありのままであるということで、青年の美と自分の詩を二重に誇った詩だといえる。