2 四十度(たび)の冬がきて

 

四十たびの冬が君の額を包囲し、

その美しい戦場に塹壕を深々と刻むとき、

君が誇る若さという衣装も、そうやって今見つめられてはいても、

取るに足りないぼろ切れ同然となってしまうだろう。

 

君の美しさはいったいどこにいったのか、

君の輝かしかった日々の宝はどこにあるのかと尋ねられて、

深く落ち窪んでしまった君のまなこの中にあると答えるのは、

まったくもって恥さらし、無益な称賛に過ぎなかったことになる。

 

君の美しさの利息の方がどれほど称賛に値することか、

もし君が、「この美しい僕の子供が

僕の総決算であり、僕が老いた理由です」と答えることができれば、

彼の美しさは君から相続したものだとはっきりする。

 

  それこそ君が老いてなおかつ新たになることであり、

  冷たくなった血が温かく甦ることになるのだ。

 

 

【私の鑑賞】

平均年齢が四十歳に満たなかった当時では、四十歳といえば中年から老年にさしかかる年齢です。詩人は青年が老いた時のことを今から憂えています。

青年の額には時が刻む皺も目立ち始め、若き日の面影は薄れ、青春の美しさも失われていきます。

その時になって君の美しさはどこに消えたのだと問われた時、君に子どもがいれば、その子を示すだけで事足りるのです。

君は子どもを通じて、老いてなおかつ新しく生まれ変わるのです。

詩人はそう語ることで、君に結婚を勧め、子どもを作るように促しています。