18 君は夏の日よりも

 

君を夏の日に譬えようか?

君はもっと美しく、穏やかだ。

荒々しい風が五月の美しい蕾を揺さぶり、

夏が借用する期間はあまりに短い日々。

 

時には天の目はあまりに暑く輝き、

時にはその黄金の表情を曇らせる。

すべての美しきものもいつかは衰え、

偶然や自然の変化で、美しさを剥ぎとられる。

 

しかし君の永遠の夏は褪せることもなく、

君が所有するその美しさを失うこともない、

死神が、おまえはわが闇をさ迷う、と得意げに話すこともない、

君が不滅の詩の中で時と一体となれば。

 

  人が息をし、眼が見えるかぎり、

  この詩は生き続け、君に命を与える。

 

 

【私の鑑賞】

あまりの変調に、かのドーヴァー・ウィルソンをして「17番と18番のソネットの間に何かが起こった」と言わしめています。

詩人とこの青年の間の障壁はすべて取り払われ、詩人は高らかに青年を賛美し、自分の詩を誇ります。

青年の美しさを伝えるのは、もはや青年の子どもではなく、詩人の詩こそ、青年を永遠に生かすものだと誇らしく謳うのです。

「君を夏の日に譬えようか」というとき、詩人の並みならぬ自信を感じるではありませんか。