13 君が永遠のものだったら

 

ああ、君が永遠のものだったら!だが、愛する人よ、君は

やがてはこの世の人ではなくなる。

君はその来るべき終りに備えて

君の美しい似姿をほかの誰かに伝えるべきだ。

 

君が借用しているその美しさを

終わらせてはならない。そうすれば、君は

君自身が消えた後もなお、今のままの君、

君の美しい姿を、君の子どもたちが受け継げば。

 

そんなに美しい家を朽ちるに任せていいものか、

手を尽くして管理すれば、

冬の日の嵐の突風からや、

死の永遠の寒気による不毛の猛威から守れるというのに。

 

  愛する人よ、放蕩者だけだ、そんなことをするのは。

  君には父がいた、君の息子にもそう言わせたまえ。

 

 

【私の鑑賞】

詩人は、ここではじめて青年に「愛する人」と呼びかけます。

そして、青年がいつまでも今のままの姿を保つことを願います。

しかし、それは叶わぬ夢。青年の美しさは仮(借り)のもの。

死からは何ものも逃れることはできません。

その借りを青年の子どもという形で返すことで、青年は、その美を保つことができます。

立派な家も管理してこそ保たれます。

青年の美も、結婚して子どもを残すことでその美が保たれるのです。