1 最も美しいものこそ

 

最も美しいものこそ子孫を残してほしい、

そうすれば美しいバラも絶えることなく、

成熟し、時が来て朽ちる時がきても、

若い跡継ぎがその記憶を伝えることができるというものだ。

 

しかし、君は自分自身の美しさを写す目と婚約し、

おのが身を燃やすことで炎の光を放ち、

満ち足りているのに飢え、

自分自身を敵にして、君の美しさに辛く当たる。

 

いま世間の新鮮な飾りものである君は、

ただ一人の華やかな春の先触れであるが、

君の幸福を蕾のままに埋もらせ、

若い守銭奴の君は、けちけちすることで浪費している。

  世間を憐れと思いなさい、でないとこの大食の罪は、

  世の中の義務を墓と君とで食いつぶしてしまうことになる。

 

 

【私の鑑賞】

君は今誰よりも一番美しい。

その君の美しさも時が来ればバラの花と同じく、枯れ果ててしまいます。

それなのに君は今、自分の美しさをいたずらに浪費しています。

君の幸福は、結婚して子どもを作るまでは、蕾のままでしかなく、花が咲き実を結ぶとは言えないのです。

君の美しさを伝え残すために結婚して子孫を残すのは、世の中の義務というべきものです。

詩人はそう言って、君に結婚して子供を作ることを勧めます。