41 自己愛 ジョン・ダンの部屋

 

愛さずにはいられないのに、

自分の気持に逆らう男、

そんな男に心は動かされない、

心にもない恋をする男だから。

 

好き勝手にする男もごめんだわ、

気ままに選ぶのだもの、

手に入れたらポイと捨て、

拒むのも思いのまま。

 

美人しか愛さない男も駄目、

そんなことは誰もがすること、

醜女しか好きになれない男もいや、

女を見る目がないのだもの。

 

賢い男も駄目、そんな男は、

わたしを笑いものにし、虜にするから。

愚かな男もいや、他の....

....できないのだもの。

 

女に金を払う男も駄目、

金で女を縛るから。

金を払わない男もごめんだわ、

女に価値を認めないのだもの。

 

この世にはいないのかしら、

思いのまま愛せる男は。

それならそれで、わたしは

自分で自分を愛すことにしましょう。

 

 

【訳注】

原題:’Self Love’

初出は1650年。当初題名はなかったが、1896年、E.K.チェンバーズによって付けられた

 

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ジョン・ダン全詩集訳 宗教詩