なんとまあ、とてつもなく煩わしく、
重荷となるほど太っていたことだろう、僕の恋は。
太らぬように、
均整を保つように、
食事療法をさせ、恋にとって疫病神の
分別を与えなかったなら。
恋に許したのは、一日一回だけの溜息、
僕の幸運と不運の分け前はそれっきり。
それで、恋の奴、こっそりと
僕の恋人の心から溜息を盗みとり、
ご馳走にしようと考えるなら、それは
偽物、僕を思ってのものではないと教えてやろう。
恋の奴が僕から涙を搾り取ろうとしても、涙に
軽蔑と嘲笑で塩味をつけ、滋養分をなくしてやる。
彼女の涙を吸ったとしても、おまえが飲んだのは
涙なんかじゃないと言ってやる、
飲んだのは、おまえの食い物と同じ、まがいもの、
誰かまわずに向ける目から流れるのは、涙ではなく、汗でしかない。
恋が命じたことは、何でも書いたが、
手紙は全部焼き捨てた。彼女が僕に恋文を寄こしたとき、
その厚意で恋は太ったが、
僕は言ってやった、この恋文で
分け前の権利をもらえたからといって、何の役に立つ、
相続順位は四十番目だというのに。
こうして僕は恋の鷹を飼いならし、
思いのままに、時処を選ばず、飛ばした。
狩りに飽きれば、寝て休むが、
ときには、鷹匠よろしく、
誓い、恋文、溜息、涙で、女を獲物に追い立てる。
獲物が死んでも、見失っても、話しの種にし、あとは寝るだけ。
【訳注】
原題:’Love’s Diet’
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