君の魅力に魅せられた君の友人は、
よんどころない事情にせかされて、
君と彼の聖なる恋人を
あとに残して出かけたが、二人の不在を嘆き悲しんでいる。
僕が二人に抱いている愛は
この別離で薄れることもなければ、傷つくこともない。
僕たちの心を一つに結ぶ愛はそれほど強く、
また恋の苦しみを追い求める愛も強いものだ。
君のほかに残して行くものは
大空の眩しい太陽と、その三倍も美しい地上の太陽、
そして僕が行くところは永遠の厳しい冬が住むところ、
だが、僕の悲しい心を殉教者にする恋の熱い炎が、
焼けるように熱いため息を吹きだし、その溜め息は
氷という氷すべてを溶かすが、彼女の心の氷壁だけは溶かせない。
【訳注】
C. B. 氏は、クリストファー・ブルック。ペトラルカ流詩人の伝統にのっとったソネット。
詩人は北の寒い地方に行くようであるが、具体的な場所は不明である。
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