4 C. B. 氏へ ジョン・ダンの部屋トップへ戻る

 

君の魅力に魅せられた君の友人は、

よんどころない事情にせかされて、

君と彼の聖なる恋人を

あとに残して出かけたが、二人の不在を嘆き悲しんでいる。

僕が二人に抱いている愛は

この別離で薄れることもなければ、傷つくこともない。

僕たちの心を一つに結ぶ愛はそれほど強く、

また恋の苦しみを追い求める愛も強いものだ。

君のほかに残して行くものは

大空の眩しい太陽と、その三倍も美しい地上の太陽、

そして僕が行くところは永遠の厳しい冬が住むところ、

だが、僕の悲しい心を殉教者にする恋の熱い炎が、

焼けるように熱いため息を吹きだし、その溜め息は

氷という氷すべてを溶かすが、彼女の心の氷壁だけは溶かせない。

 

【訳注】

C. B. 氏は、クリストファー・ブルック。ペトラルカ流詩人の伝統にのっとったソネット。
詩人は北の寒い地方に行くようであるが、具体的な場所は不明である。

 

 

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ジョン・ダン全詩集訳 書簡詩