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はじめて見る劇団だと思って調べていると、昨年、「『オセロー』~その化け物の名は嫉妬~」で一度観ていることが分かって、観劇日記を見直してみて自分の記憶力に愕然とする思いであった。
2023年に旗揚げして今回が3回目の公演ということで、今のところ年1回のペースで続けられていることが知られる。今回は第1回公演の『モンタギューとキャピュレット』に「憂鬱」という文字がくっついているので、再演ではあっても初演とは少し異なるところがあるのだろうと想像するが、初演を観ていないので比較することはできない。
興味深かったのは、開幕早々の場面で、この作品の作者であり出演者の一人である真田真の等身大を彷彿させる場面が見受けられたことであった。
喫茶店で原稿を書いている男の所へかつての部下である女子社員が彼の依頼していた資料本を持ってくる。
彼女は男を「課長さん」と呼び直属の部下であったが、彼が仕事をしていた時から演劇に携わっていたことを知らない。彼は、勤続中から仕事を終えた後から芝居の稽古に出かけて出演もしており、今では脚本も書き始めていて、そのための資料を彼女に頼んだのだった。
彼が興味を持っていたのはシェイクスピアで、今取り組んでいるのは『ロミオとジュリエット』をもとにした劇である。
そこから場面は暗転して、彼が今取り組んでいる作品の劇中展開の場となり、男はモンタギューとなり、キャピュレットと話を交わしている場へと移る。
モンタギューの一族とキャピュレットの一族は敵対関係にあるが、当主のモンタギューとキャピュレットは幼なじみで友だち同士という複雑な関係にある。
二人は親として子どものことでお互いに悩みを抱えている。
モンタギューは息子のロミオが引きこもりであることを悩んでおり、キャピュレットは娘のジュリエットに大公の不良息子パリスからの縁談が持ち上がり、自分は反対であるのに妻のキャピュレット夫人は名家との縁談で乗り気であることに悩んでいる。
そこで二人は相談してロミオとジュリエットを結びつけようと思いつき、キャピュレット家の乳母を抱き込んでその作戦を実行し、うまく事が運んでロミオとジュリエットは舞踏会の夜、関係を結ぶことで成功する。
ところがキャピュレット家のティボルトが大公家の縁者であるマキューシオを殺し、ロミオがティボルトを殺すという事件が起こる。パリスがマキューシオやティボルトの死を悼む宴会を墓場で行い、薬物服用の作用もあって一騒動が起こり、ロミオとジュリエットも巻き込まれ、パリスも死んでしまう。
キャピュレットとモンタギューは乱痴気騒ぎの中で死んだとあっては二人の子どもに汚名が残ってしまうと、その対策を考え、二人の出会いの場に、バルコニーシーンを考案し、シェイクスピアの原作にそっていく展開となる。
ロミオは薬を飲んで仮死状態のジュリエットを見て自殺し、仮死状態の眠りから目を覚ましたジュリエットは後を追って自殺をするという話を考え出す。そして、二人の純愛の記念に、二人の黄金の像を作ることにする。
その話の結末に喫茶店のウェイトレスがそんな終りでよいのかという疑問を投げかけ、モンタギューとキャピュレットはもう一度考え直して、ロミオとジュリエットの恋愛の場面を繰り返して演じて見るが、答えが見つからないままこの劇は閉じてしまう。結局はシェイクスピアのオリジナルに変わるものがないことを暗示する。
作者の真田真については何も知らないが、この劇を見ていると真田がシェイクスピアの作品に取り付かれて、自分でもそのシェイクスピアの延長の作品を作ってみたいという衝動からこの作品が生まれてきたことを想像させるものを感じた。
この第一作目によって真田は念願の『オセロー』を第二作目とし作り上げたことも合わせて思い浮かぶものがあった。
出演は、モンタギューに『オセロー』でイアーゴーを演じた真田真、キャピュレットにはオセローを演じた伊藤嘉信、乳母には宮本賀奈子、女子社員の女に髙橋沙友美、ウェイトレスに星洸佳、総勢5名。
上演時間は、60分。
作/真田 真、演出/牧 凌平
6月29日(日)13時開演、中野RAFT、料金:2500円、全席自由
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