雑司ヶ谷シェイクスピアの森 通信

 

シェイクスピアとシェイクスピア劇(作品)をめぐる内外の動きや情報をコンパクトにまとめて週刊で発信しています。
シェイクスピア劇(作品)を読み、楽しみ味わう人々の交流を進めています。
シェイクスピア劇団とのつながりを大切にして、劇団と観客とを結ぶチャンネルをめざしています。
シェイクスピアの森のメンバーによる優れた研究、評論、エッセイ、翻訳、創作、川柳などを率先して掲載しています。

始まりは2005年10月創刊のケイタイ・シェイクスピア通信。 発信者(編集長)はシェイクスピアの森Tokyo主宰・森番の関場理一(せきば・りいち)です。 主宰・森番はTwitterでも、シェイクスピアCafeなどで日ごとにツイートしています。 アカウント:shakesforester (forester)  キーワード「シェイクスピア」で検索していただけば、ご覧になれます。 申し込み方法 メールアドレス、お名前、ご住所、電話番号を明記してメールで下記にお申込ください。受信料は無料です。 シェイクスピアの森Tokyo メール・アドレス:foresta-shakes*nifty.com  (*を@に変えて発信ください。迷惑メール防止のための措置) 雑司が谷シェイクスピアの森へ

 

サンプルをご覧ください
第1週目の「シェイクスピアの森通信 2012/10/1」をお送りします。

《今週のフォーカス》は
‖10月に始まる二つのシェイクスピア講座‖です。
10月にゆかりのあるシェイクスピア劇は『ヴェニスの商人』です。
嬉しい偶然ですが、10月には朝日カルチャーセンター(立川教室と新宿教室)でも二つの『ヴェニスの商人』の講座が始まります。


高木 登さんの連載「ジョン・ダンから同時代人シェイクスピアを読む」〔28〕は9章の4です。

シェイクスピアの森

森番・関場理一

****************************************************************** 

シェイクスピアの森通信 2012/10/1号

****************************************************************** 

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼ ▼▼▼▼▼▼▼

ジョン・ダンから同時代人シェイクスピアを読む [28]

▲▲▲▲▲▲▲▲ 雑司が谷シェイクスピアの森 高木 登 ▲▲▲▲▼▼▼▼▼▼▼▼▼

 

9 シェイクスピアのソネットに見るダンとの類似性

その4 ソネット140番「私だけを見つめて」

ニューケンブリッジの編者エヴァンズは、140番のソネットを、ヘレン・ガードナーの指摘として、ダンの詩『エレジー』の6番(「背教者」)との類似性について紹介しているので、二つの詩を見較べてみたい。いずれも拙訳から。

残酷であっても賢明さを示して、私黙って我慢するのを軽蔑して責めないでくれ

さもないと悲しみが私に言葉を与え、言葉が憐みを乞う私の苦痛の様を語るだろう

愛しい人よ、おまえに分別を教えることができるなら

たとえ愛していなくとも、愛していると言うがいい

死期が迫って気の短くなった病人は

医者から回復の言葉しか聞こうとしないものだ

私が絶望するようなことになれば、気が狂って

その狂気が元でおまえの悪口を言うかもしれない

いまやこの歪曲された世界は邪悪となり

狂気から出た中傷も狂気の耳が信じるところとなる

私が悪口を言わないためにも、おまえが中傷されないためにも

おまえの高慢な心がふらつこうと、眼はまっすぐに向けてくれ

(ソネット、140)

だが、君の過酷さで僕に

投げやりな絶望を起こさせないでくれ。そうなると僕の心は

研ぎ澄まされて君を嘲笑うことになる。ああ、苦しみに萎えた愛は

軽蔑ほど賢くもなく、十分な武装もしていなかった。

これからは違った眼で君を見つめ、

君の頬には死を、君の眼には闇を見るだろう。

希望は信頼と愛を生むというが、このような教えを受ければ、

諸国がローマから離反したように、僕も君の愛から離れるだろう。

僕の憎しみは君の憎しみに勝り、きっぱりと

君の戯れの恋を拒否する。 (『エレジー』6番、35‐44)

 

二つの詩の共通性は「見る」という行為に見られるが、そこに共通性を

発見したと思われる時、そのことは最後の章で扱うであろう詩を読むとい

う行為について関連するので、ここでは詳細は省くが、これを読んで皆さ

んはどう感じるであろうか。

 

紙数の関係で原詩を紹介できないのが残念であるが、これも関心のある方

はオリジナルに当たってみて欲しい。

----------------------------------------------------------------------

《今週のフォーカス》 

‖10月に始まるシェイクスピア二つの講座‖

きょうから10月(神無月、October)です。

10月にゆかりのあるシェイクスピア劇は『ヴェニスの商人』。

河合祥一郎氏の「シェイクスピアの12か月」(英語教育2004/10)を参照してのことです。

「…幕開きが7月頃で、それから3か月経ったのだとすれば、

暑気が去った10月頃のしっとりとした季節感で芝居が終わることになる。」

嬉しい偶然ですが、10月には朝日カルチャーセンター(立川教室と新宿教室)でも

二つの『ヴェニスの商人』の講座が始まります。

 

● シェイクスピア原典講読− 「ヴェニスの商人」

―講師は帝京大学教授の郷 健治 氏

 

ここ数年来、朝日カルチャーセンター立川教室で続いているシェイクスピア

原典講読の入門講座で、10月の新学期から1年余りかけてゆっくりとシェイ

クスピアの喜劇『ヴェニスの商人』を読んでいくという。

 

「明治18年5月に大阪で『何桜彼桜銭夜中(さくらどきぜにのよのなか)』という題

名でわが国最初の際所のシェイクスピア劇として上映されて以来、この

『ヴェニスの商人』は今日まで日本でもっとも頻繁に上演されてきた

シェイクスピア劇のひとつです。

しかしながら、ユダヤ人に対する『人種差別』というきわめて政治・社会的

に重い問題が主題となっているこの芝居は、アメリカでもイギリスでも、も

はや頻繁に上演することのできなくなった作品でもあります。

この刺激のテクストを精読しながら、この作品に秘められた作者シェイクス

ピアの真の意図とはいったい何だったのかを読み解いて行きます。」

(講師の言葉より)

 

初日は10月3日。

日時 10/3〜12/19まで、水曜日の10:15-12:15 。 

詳しくは↓
http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=173511&userflg=0


● シェイクスピア講読− 「ヴェニスの商人」を読む

―講師は明治学院大学名誉教授の大場建治 氏

 

朝日カルチャーセンター新宿教室に10月から新設された大場建治氏の

シェイクスピア講読。

講師による対訳と注解つきのシェイクスピア選書(研究社)をテキストにするという。

「The Merchant of Veniceは、シェイクスピアでもとりわけ人気の作品です。

日本最初のシェイクスピアの舞台(翻案)もこの作品でした。

しかし作品の世界に一歩深く踏み込んでみると、

じつに多様な問題を抱えていることがわかってきます。

これはHamletやKing Learに劣らぬ問題劇と言ってよいのかもしれません。

本講座は、その人気作としての楽しさを、原文の1語1語に即して十分に味わいながら、

「問題劇」としての問題点をていねいに読み取っていくことを目指します。 」 

(講師の言葉より)

 

初日は10月10日

日時 10/10〜12/26まで、水曜日の11:45-13:15 。

 

詳しくは↓
http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=175479&userflg=0

 

《お薦め観劇情報》 

● ケンブリッジ大学ペンブルック・プレイヤーズの日本公演Macbeth

今夕、明治大学で観劇可能です

奥景子さん(明治大学大学院生)さんからいただいた嬉しい情報。

 

明治大学でケンブリッジ大学ペンブルック・プレイヤーズの日本公演

Macbeth の観劇が可能です。

10月1日17:30〜19:30、

明治大学(駿河台キャンパス)リバティタワー1階リバティホール。

入場無料、予約不要。

詳しくは↓
http://www.meiji.ac.jp/cip/info/2012/6t5h7p00000dkh2n.html

 

----------------------------------------------------------------------

Twitter ――森番の最新のつぶやきから *抜粋

シェイクスピアCafeは日々更新中!.コチラから。↓ 

http://twitter.com/#!/shakesforester

 

◇ シェイクスピアCafe:週末オススメ情報は、わたしたちにとっての『テンペスト』を

考えるため映像と本のガイドです。1991年に日本でも上演された巨匠ピーター・ブル

ック演出の『ザ・テンペスト』はきわめて斬新な舞台でした。アフリカやアジア出身の

俳優をキャストしたユニークな演出です。 2012.09.29

 

〔続 1〕 ピーター・ブルックがシェイクスピア劇の上演で打ち出したのは何もない空間

による演出手法でした。『ザ・テンペスト』の舞台映像が公開されていないので、ご

子息が制作したドキュメンタリー:Brook by Brookでブルックに出会いたい。

http://bit.ly/Ql1z4v 2012.09.29

 

〔続 2〕 シェイクスピアの『テンペスト』を下敷きにして現代的な"もうひとつのテンペ

スト"を翻案する試みの結実がエメ・セゼールの『もうひとつのテンペスト』でした。

砂野幸稔氏による、その本邦初訳をはじめ、本橋氏の新訳や最新の批評は本橋

哲也編『テンペスト』(インスクリプト)で読めます。2012.09.29

*****

 

◇ ジョージ・ エリオット最晩年の著作『テオフラストス・サッチの印象』を翻訳された

薗田美和子さんから貴重な訳書(彩流社)をお贈りいただく。今泉瑞枝氏と共同の

訳業で本邦初訳。ジョージ・ エリオットは年少時代をウォリックシャーで過ごしたので

シェイクスピアとの接点もあり、何度も言及がある。2012.09.25

 

〔承前〕ジョージ・ エリオットは夏目漱石が高く評価していた女流の作家で、イギリス

留学から帰国して東大講師になった最初の年(1903)に作品講読で取りあげたのが

代表作『サイラス・マーナー』だった。残念ながら学生には不評でシェイクスピア講義

に切り替えたというエピソードを思いだす。2012.09.25

 

◇ Arden-3版でKing Lear の4幕 5場と6場の始めの80行を読んだきょうの雑司が谷

シェイクスピアの森の例会、両眼をくりぬかれて自殺を決意したグロスターを変装の

エドガーが自分を明かさずドーヴァーに誘う感銘深い道行(6場)の細やかな台詞に

感性を研ぎ澄ました論議があった。 2012.09.26

 

◇ 「ムーン・リバー」のヒットで知られるアメリカ合衆国の歌手アンディ・ウィリアムが

25日、ミズーリ州の自宅で死去したとAP通信などが伝えた。84歳だった。シェイク

スピア映画『ロミオとジュリエット』の主題歌、 愛のテーマ:"A Time for Us"も彼の

ヒット曲のひとつだった。 2012.09.27

 

◇ RSCのemail newsが届く。10月25日からThe Merry Wives of Windsorが始まる。

シェイクスピアの歴史劇『ヘンリー四世』にでてくるフォルスタッフが喜劇に登場して

人妻と恋をする。今回の舞台はバりバリの現代版。http://bit.ly/QLg2uD

2012.09.29

 

◇ Macbeth前半の山場となる2幕2場の後半、ダンカン王殺しが行なわれた直後の

マクベスとマクベス夫人の緊迫した状況から場面ががらりと変わる3場の門番のシ

ーンの前半部とを原文で読んだきょうの多摩シェイクスピアの森。2場では偉大な

大海の水でも王殺しの血は洗い落とせないと嘆くマクベス。 2012.09.29

 

◇ 'ひとりシェイクスピア'の楠美津香さんからメールをいただいた。11月に英信寺

(東京台東区入谷)で薔薇戦争シリーズの連続上演に取り組むことになったという。

楠美津香さんが薔薇戦争シリーズに取り組んだのは2007年と2008年の夏の北海

道公演。お寺でシェイクスピア、大いに期待したい。2012.09.30

 

(関場理一) 

 

--------------------------------------------------------------------

雑司が谷シェイクスピアの森へ

--------------------------------------------------------------------

 

 
シェイクスピア雑記帳 私にとってのシェイクスピア 関場 理一「ばーなむ」
木登 あーでんの森散歩道 鈴木真理のロンドン通信 Alice in Tokyo
シェイクスピアを読むグループ・演ずるグループ お問い合わせ
Copyright © 2015 woodz oushigzyz . All Rights Reserved..