こんなことにはうんざりで、安らぎを与える死が望み
たとえば、善良な人が乞食のように貧しく生まれたのを見るとき
ろくでもない人間がきれいに着飾っているのを見るとき
絶対だと信じていたことが不幸にして裏切られるのを見るとき
金ぴかの栄誉が恥ずかしくも間違って与えられるのを見るとき
貞淑な処女が無礼にも娼婦呼ばわりされるのを見るとき
完全無欠なものが理不尽にも貶められるのを見るとき
力ある者が足萎えに阻まれ動きが取れないのを見るとき
学芸が当局によって口をつぐまされるのを見るとき
愚か者が学者面して賢者を指図するのを見るとき
率直に真実を語れば愚か者扱いされるのを見るとき
善が囚われの身となって悪徳に服従するのを見るとき
こんなことにはうんざりで、いっそ死んでしまいたいが
愛する人を一人残すことになり、その願いもかなわない。
Tired with all these for restful death I cry;
As to behold desert a beggar born,
And needy nothing trimmed in jollity,
And purest faith unhappily forsworn,
And gilded honour shamefully misplaced,
And maiden virtue rudely strumpeted,
And right perfection wrongfully disgraced,
And strength by limping sway disabled,
And art made tongue-tied by authority,
And folly, doctor-like, controlling skill,
And simple truth miscalled simplicity,
And captive good attending captain ill:
Tired with all these, from these would I be gone,
Save that to die I leave my love alone. |