俺の恋人が誰であるか、推測(あて)ようとしたり、考えてみたり、
知っていると夢見る奴は、この呪いで萎えてしまうがいい。
なけなしの財布をはたいて、
その気もない女を口説いてみても、
女は、身も心もおまえの恋敵に身を任せてしまうのが関の山。
ほかの女から馬鹿にされる女から、馬鹿にされるがいいのだ。
女に振られる心配と、ものにしても恥になるだけだと、心は真二つ、
だから女に誓ったことは、人前では否定するがよい。
こんな男に誰がした、と考えるような奴は、
悲嘆が狂気となり、怒りの発作が痛風となるがいい。
良心のかけらもないくせに、
体面ばかりを気にするような奴は、
罪に苦しまずとも、女のことでくよくよするがいいのだ。
そんな奴は、若いうちから貧乏して長く苦しんで腐るがいい、
当てにしていた土地財産も、近親相姦で産ませた子に、
取られてしまうがいいのだ。
謀反を夢見ては、自分がやったと信じ込み、
白状して、縛り首、
その理由は記録にない。
自分の子ではないかも知れぬ息子たちが、
相続するのは汚名のほかには何もない。
老いては世話になろうと当てにして、いつまでも
居候たちを食わせて、養い育てたあげく、
割礼してパンを乞う始末となるがいいのだ。
すべての継母の毒気、賭博師の遺恨、
暴君と臣下の間のいがみ合い、
植物、鉱物、動物、鳥類、魚が
産み出すありとあらゆる害毒、
預言者、詩人が口にするすべての呪詛、それに
俺がこの細目に付け足したすべての呪いが、
この男に降りかかれ。それが女であれば、
自然の女神がとっくの昔、俺に勝る呪いをかけているはずだ。
【訳注】
原題:’The Curse’。復讐の女神への呪い、あるいは祈りは、昔の詩によく見られる形式。
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