高木登 観劇日記2021年別館 目次ページへ
   演劇工房 第37回公演 劇的なるもの其の壱 『はるぷんて』     No. 2024-020

 「はるぷんて」―演出者自体がこの言葉を3か月前まで聞いたこともなく、まったく知らなかったといい、調べると、ある世代ではよく知られている言葉らしいというが、その意味は観てのお楽しみとあったが、観終わっても結局、僕にはその意味は解らなかった。
 当日配布されたA4サイズを二つ折りにしたパンフレットに、「演劇工房」は社会人のための演劇教室で、プロになるつもりはないが、趣味として演劇を続けたい人や、一緒に芝居をする仲間が欲しい人を対象にした集団とある。
 主宰者の遠藤邦夫構成・演出のタイトル名や別役実の作品など、2003年8月の第1回からの公演記録のタイトルを見ると、この劇団の傾向が何となく推し量ることが出来る。
 この劇『はるぷんて』のチラシには、「雲は天才である、明治一代女、ロミオとジュリエット、赤穂浪士、マダム・バタフライ、黄金バット、牽牛と織り姫、東京キッズ、お花半七恋徒花、落ち葉を燃やして・・・、精進落し」などのそれぞれの場面のタイトルらしき言葉が散りばめられている。
 チラシから何となくこの劇の展開が想像できたが、はたして、この劇はこれらをオムニバス形式にして展開されていき、個々の場面の「空気」「雰囲気」がひとつの見どころともなっている。場における間合いの空気に白々しさがあるのだが、当日観劇していた小学生ぐらいの女の子が一人だけクスクス笑いをしていたのがとても印象的で、大人とは異なる感性の違いが面白く感じられた。
 個々の場面は、演劇コンクールで、その出演者が芝居を競演しているようにも見え、あるいは一つの劇団が出し物の総ざらいをしているようにも感じられる。
 全体的にはabsurdであるから、不条理劇でもあり、別役実の世界のようでもあった。
 この劇は、出演者の一人、芳尾孝子さんのご案内で観劇した。
 出演者は、彼女を含めて総勢9名。
 上演時間は、休憩なしで1時間50分。


構成・演出/遠藤邦夫、原作/金杉忠雄(花の寺)・菅間勇(グッドナイト他)
6月29日(土)14時開演、上野小劇場

 

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