この劇はロンドンで一度観たことがあるが、中身はほとんど忘れていた。
筋を追って書いて見ても仕方がない、劇そのものの面白さと、それを演じる役者のキャラを楽しめば十分だと思う。
内容を忘れていても、見ている最中に次なる展開が想像されるところに面白さがある、その面白さを楽しんだ。
二人の主人に仕える召使のトラファルディーノに加藤健一、パンタローネに清水朋彦、その娘クラリーチェに増田あかね、ラテン語の教師ロンバルディに奥村洋治、その息子でクラリーチェの恋人シルヴィオに小川蓮、亡くなった兄に変装して登場するベアトリーチェに加藤忍、彼女の恋人フロリンドに坂本岳大、パンタローネ家の女中ズメラルディーナに江原由夏、ホテルの主人に土屋良太、そのホテルのボーイに佐野匡俊の10人が出演。
ロンドンでの観劇を前に買って読んだ英訳の台本では、場所は18世紀のヴェニスで、旅公演の役柄についての説明として、パンタローネが主演でベアトリーチェが主演女優、フロリンドは女性に人気のある二枚目俳優(マチネ・アイドル)、二人の主人に仕える召使トラファルディーノは喜劇俳優がそれぞれ務め、ホテルの主人ブリゲイラと女中のズメラルディーナは性格俳優としての資質が求められるとあり、シルヴィオとクラリーチェは純情な俳優、ロンバルディは脇役の俳優、ホテルのボーイは舞台係で裏方役を務めるなっていた。また、他の出演として、ポーターはパトロンとなっていて、給仕役が2名で、合計で12名となっている。この英語の台本は、ジェフリー・ハッチャー訳、パオロ・エミリオ・ランディ翻案による。
上演時間は。途中15分間の休憩を挟んで2時間40分。
適度な笑いで、精神の浄化作用を楽しんだ。
作/カルロ・ゴルドーニ、訳/田之倉稔、演出/鵜山仁、美術/乗峯雅寛
5月11日(土)14時開演、下北沢・本多劇場、チケット:5500円、座席:I列1番
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