原作は、元経済記者でノンフィクション作家の藤原作弥がアルコール性急性肝炎で聖母病院に半年間入院したときの日常茶飯事をテーマにしたエッセイで、それをヒューマン・ドキュメントのドラマにした朗読劇である。
原作者藤原をこの劇の語り手として、聖母病院でのさまざまな入院患者との出会い、看護婦、医師などとの対話を交錯させた、朗読劇と対話劇をミックスさせたユニークな構成となっている。
語り手の藤原は、自由舞台の浜田晃を筆頭にして劇の途中で入れ替わり、都合5人の朗読者がその役を務める。
総勢21名に及ぶ出演者の構成は、自由舞台の8名(男性6名、女性2名)を筆頭に、俳優座や劇団民芸などプロの俳優やアマの出演者からなる。
半年間の入院生活の間に、入院患者も入れ替わっていき、その出会いを通しての人間関係が風景のように通り過ぎていく人間ドラマである。
入院患者を通しての人生模様の断片であるが、そこにさまざまな人間ドラマを想起させ、淡い感興を覚え、そのドラマを楽しむことが出来た。
この劇を観ることができたのは、看護婦として出演する白井真木さんの紹介からであった。
上演時間は、休憩なしで1時間50分。
原作/藤原作弥、台本・演出/具山武久(自由舞台第31期)
4月23日(火)14時開演、なかの芸能小劇場、チケット:3000円、座席:5列4番
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