005 3日(日)14時、
“トップガールズと仲間たち”による『ラ・ファクチュール〜人生の請求書(ツケ)』 |
作/フランソワーズ・ドラン、翻訳/梅田晴夫、潤色/白樹 栞、上演台本・演出/山上 優
出演/山崎美貴(文学座)、杉村理加(テアトル・エコー)、白樹 栞、井上 薫(俳優座)、
貴山侑哉、川口真五、中山夢歩、菊地真之
赤坂RED/THEATERにて。チケット:5000円、座席:C列10番(最前列)
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【観劇メモ】
人生あまりに運がつき過ぎると、いつかそのしっぺ返しが来るのではないかとその不安にさいなまれる。
その幸運も実は物質的な面でしかないが、最後の最後までこの幸運はついて回る。
しかし、そのツケの支払いは物質的なものではなく、心の問題であったところがこの劇のオチとなっている。
主人公の女性実業家ノエルは美容師として成功をおさめる一方、恋人にもこと欠かない。
別れたいと思った時にはタイミングよく分かれることが出来ただけでなく、すぐに次の恋人が現れる。
そしてまた、5年間付き合ってきた毛皮商品の店主と別れた直後に、彼女の弟への請求書を持った男が彼女の前に現れる。彼は彼女と同じくこれまでに多くの女性遍歴があるが、彼女はそんなことは気にしない。
ところが、男の方がこれまでと違い、ノエルにかかってくる男性からの電話を気にする。
ノエルの方でも彼とはこれまでの男性と異なる気持があって、一旦別れるものの彼はすぐに戻ってくる。
そして二人は、これまでまったくその気になれなかった結婚をすることになる。
幸運のツキを清算するツケは、実はこの結婚であったというのがこのドラマのオチでもある。
その伏線に、舞台の冒頭から登場してくる使用人がいる。彼は実は彼女の財産を狙った泥棒だが、偽の紹介状を持って来て、ノエルの女性支配人には怪しまれるものの、ノエル本人からは信頼されて雇われることになる。
その彼が、ノエルの結婚相手となる最後の恋人と賭けをして、彼が勝てばノエルの宝石をもらえることになっていたが、賭けに勝ったものの彼は直前に逮捕されてしまって宝石は無事に残る。
ノエルにとって、最後の最後まで物質的な幸運はついている。
出演者の演技は楽しんだものの、フランス喜劇としてはちょっぴりシニカルなエスプリが欠けているような気がして物足りなさが残った。
主人公ノエルは多分、白樹栞が演じているのであろうが、チラシの顔写真では女性出演者4人の顔と劇中の役柄がどうしても一致せず見分けられない。役柄も合わせて記載してくれていればと思った。
上演時間は、休憩10分を入れて約2時間。
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006 9日(土)14時、グループ虎企画・製作 『レ・ミゼラブル』 |
構成・演出/高橋征男、脚本/冬城久次
出演/渡邉 翔(ジャンバル・ジャン)、庄田侑右(ジャベール)、林真之介(テナルディエ)、
白井真木(テナルディエ夫人)、神 太郎(ミリエル神父)、他多数
両国・シアターXにて。チケット:4500円(出演者割引)、全席自由席 |
【観劇メモ】
主役は勿論ジャンバル・ジャンだが、最初から最後までジプシーのダンスで表象される庄田侑佑が演じるジャベール警部が際立っていたのと、脇を固めるテナルディエとその夫人役の林真之介、白井真木、ミリエル神父の神太
郎の演技が舞台を引き締めていた。
ジャベール警部が「憎んでいないのか?」という問いに対してジャンバル・ジャンは「恐れてはいても憎んではいない」という言葉に、ジャベールは自分のこれまでの生き方を全否定された形で、そのために自ら命を絶つところが、このドラマのすべてを表象していて印象的な場面であった。
上演時間、2時間15分。
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