作/土田英生、演出/宮田慶子、装置/島次郎
出演/那須佐代子、小林正寛、田中耕二、森脇由紀、片岡富枝、他
紀伊国屋ホール |
【観劇メモ】
土田英生が紡ぎだす台詞のどこかいらつくような妙技を楽しむ。
結婚を3度失敗した優子(那須佐代子)が4度目の結婚をインターネット上の絵本作家高田(小林正寛)と4度目の結婚をし、これを最後にしたいといいながらも、結局は高田と別れ、今度は大学院生横山(川上英四郎)に高田に対してと同じ台詞を言うが、なんとなくこれが本当に最後になるかなと思わせる。大学院生を演じる川上英四郎が優子に対して、突き放したようなそっけなさがそのような予感を感じさせる。
優子がつぶやく「悔しい」は、自分自身に向けてのようにも聞こえるし、これまで裏切られてきた夫、社会に対してでもあるように聞こえる。
喫茶店のマスターを演じる田中耕二にほのぼのとした明るさを感じ、救われる気がした。
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