2025年髙木登観劇日記
 
   円演劇研究所第49期卒業公演(スミレ組) 『十二夜』     No. 2026-005

 第49期の卒業生32名が、スミレ、セルリア、バラの3組に分かれ、各組13名の構成でそれぞれ3公演、合計9公演の初日、最初の舞台をスミレ組で観た。
 安西徹雄の翻訳による小川浩平台本・演出で、原作通りオーシーノ公爵の場面から始まる。
 続く場面は、嵐の場となって船乗りたちが慌ただしく奮闘し、ヴァイオラが波間にさらわれていく兄セバスチャンを虚しく見送る。
嵐が収まって、ヴァイオラはイリリアの海岸で気を失ったままで、船長や5,6人の船乗りたちが心配そうに彼女を見守っている。
 船乗りやその他名前のない登場人物たちを、他の組の者たちが演じ、可動式の舞台装置を場面ごとに黒子となって動かす。
 この可動式の舞台装置を場面ごとに動かすのは、場面にアクセントをつけるという効果はあるものの、本来持っているシェイクスピアのセリフ劇のスピーディな動きが寸断されるきらいがあり、その寸断が積もってだんだん退屈な感じになってしまった。
 登場人物については、シェイクスピア劇ではその場でしゃべっている人物が主役といってもよいが、『十二夜』では演出やキャスティングによって、ヴァイオラ、オリヴィア、マルヴォリオ、フェステなどが主役的な働きをするが、この舞台の出演者のなかでは、マルヴォリオを演じた松本雄図の台詞回しと演技所作が大きく目立ち、面白みを感じさせてくれた。
 出演者は女性の方が多く、そのためもあってか、セバスチャン、フェステ、フェイビアンを女性が演じていたのも特徴の一つであった。
 一番の感動的な場面となったのは、最後のフィナーレ。
フェステが一人舞台に残って、「雨と風」の歌を独唱し、続いて出演者全員が登場してきて全員での合唱となり、舞台全体が華やかに盛り上げられ、卒業公演にふさわしい気分の高揚感があった。
 最後に、スミレ組以外の応援の出演者は後ろに下がって、13名の出演者が横一列に並んで一人一人名前を名乗って終わりとなった。
 上演時間は、途中10分間の休憩をはさんで、2時間40分。

 

訳/安西徹雄、台本・演出/小川浩平、美術/乗峯雅寛
2月14日(土)13時開演、両国・シアターX(カイ)、チケット:2000円、全席自由


>> 目次へ