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シェイクスピアシアター創立50周年記念公演<第二弾>
シェイクスピアシアターは出口典雄の時代から舞台装置がほとんどなく、というより何もなく、その何もない舞台を見て最初に思ったのは、ハーマイオニの彫像の場をどのように表出するかということだった。
リオンティーズの宮殿の前で、紳士たちがポーリーナの所蔵するハーマイオニの彫像について噂話をしている場面を、マミリアスが母親のハーマイオニに本を読んで聞かせることでその状況を語り、予め用意された椅子にハーマイオニが腰かけ、マミリアスが大きな布で彼女を覆い隠して退場し、そこへポーリーナに導かれたリオンティーズの一行が到着し、ポーリーナが秘蔵しているハーマイオニの彫像は、その布をはぎ取ることで表出される。
演出の工夫としてはうまく考え出して面白いと感心したが、ハーマイオニの彫像の種明かしが前もって可視化されているためもあってか驚きがなく、彼女の像が現れたときの荘厳な美しさの感動が自分には感じられなかった。
もう一つの関心事として、「時」の演出があった。
「時」はマミリアスを演じた百川蓮が演じ、「時」の語りの中でフロリゼルが登場し、「時」の姿をしたパーディタに花冠をかぶせ、そのまま「毛刈り祭りの場」へと移行する。百川蓮は三役をこなす。
毛刈り祭りは、パーディタとフロリゼルの二人のダンスが興じられるだけで、村人の姿はなく、見物人は老人に変装したポリクシニーズとカミローの二人だけで祝祭の気分に乏しかった。
出演は、リオンティーズに三田和慶、ポリクシニーズに高山健太、カミローを演じた西山公介は牢番や水夫も演じ、ハーマイオニに山口夕稀南、ポーリーナはダブルキャストで自分が観た回では三好樹里が演じ、パーディタの母親としての羊飼いと村の娘ドーカスに日実香、フロリゼルに長野安梨沙、道化(羊飼いの息子)に牧野鈴、フーテンの寅さんの衣装姿をしたオートリカスにハーピーみき杏など、総勢12名(女性8名に対し、男性は4名)、それに生演奏の楽師(全員女性)が3名。
高山健太、三田和慶、西山公介ら3名の劇団員以外はオーディション参加であるが、彼女らがシェイクスピアを楽しく演じて、その楽しみと喜びを観客とともに分かち合える舞台を今後とも期待したい。
上演時間は、途中休憩10分間を入れて、2時間40分。
訳/小田島雄志、原案/出口典雄、演出/高山健太
12月3日(水)13時30分開演、早稲田大学小劇場どらま館、チケット:4500円
整理番号順入場で、全席自由(自分は11番で、最前列上手側ブロックの中央席)
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