昨年の同じ時期に63期の本科昼間部卒業発表会でも同じ『十二夜』が上演され、その時の演出は小林勝也、今回の夜間部の演出は高橋正徳。
開幕と同時に、雷鳴と嵐の場面。舞台上に10名あまりの船員たちに扮した登場人物たちの嵐にもまれる情景が演じられ、嵐の場面がおさまって彼らが退場した後、舞台中央にフェステが一人ぽつねんとたたずんでいて、そして静かに溶暗する。
その後の舞台展開は、オーシーノ公爵の邸から始まり、イリリアの海辺でのオリヴィアと船長の会話と続く。
研修生の男女間の比率から登場人物が本来男性のところを女性が演じたのは、船長や、アントーニア(アントーニオを女性が演じるので名前を女性に変えている)、フェステ、フェイビアン、キューリオなど。そこにあまり違和感はないものの、セバスチャンを慕うアントーニアだけはその台詞から男女間の恋愛を感じさせ、少し妙な感じを受けた。
研修生の卒業公演なので特別なことを望むのは少し酷となるが、自分には内容的には平板で刺激が乏しかったが、それでも最後のフェステが唄う唄の場面で、フェステの唄に合わせて出演者が全員そろってフェステの唄を歌い、最後に再びフェステのソロで終るところは卒業公演にふさわしく、全員一丸となったところがこころをほっこりさせてくれた。
上演時間は、途中10分間の休憩を入れて、2時間40分。
訳/河合祥一郎、演出/高橋正徳、美術/正岡香乃
2月15日(土)13時開演、文学座アトリエ、料金:1000円、座席:B列1番
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