鈴木真理さん
あなたの「ロンドン通信1」はSamuel Johnsonの有名な言葉、
"When a man is tired of London, he is tired of life; for there is in London all that life can afford."
で始まり、以来、ロンドンの新鮮な香りを毎週私たちに送り続けて下さっていますが、この本には、この言葉も「ロンドン通信1」で触れられたJames BoswellもDavid Garrickも登場します。未だでしたら、ご一読をお勧めします。コナン・ドイルの流れを踏む正統派ミステリーです。
謎を追うのはSir John Fieldingと孤児のJeremyで、筋はミステリーの作法に従い、明かしませんが、二人はGarrick のMacbethを見に行き、幕が終わって、彼に会いに行っています。
調べて見ますと、Sir John Fieldingは歴史上有名な人物で、兄のHenry Fielding(トム・ジョーンズなど書いた作家)とロンドン警察の基礎を作った人です。やはり盲目だったそうです。この警察をBow Street Runners(Court)と言うことも知りました。しっかりと史実も抑えた作品のようで、楽しみながら、18世紀後半のロンドンの様子を知ることが出来ます。
The Life Of Samuel Johnson, LL.D(1791)を読まれた息子さんなら、きっとこの本を楽しまれることでしょう。(The Life Of Samuel Johnsonを入手しました。ペーパーバックで1400頁を越える大著で、当分積読です。)
今年の東京は猛暑続きですが、毎週、ロンドンから爽やかな風が来るので助かります。お元気にお過ごしください。ではまた。
(01・07・30) |