シェイクスピアのソネット新訳改訂版
 

ソネット集新訳改訂版に寄せて

 "雑司ヶ谷シェイクスピアの森"で、2009年から2012年にかけてシェイクスピアの作品を会読するかたわら、月に一度だけソネットを読む会が開かれ、その際、例会で読むソネット5篇を自分の学習の参考として翻訳し、完訳後にホームペイジに掲載した。
 その後、阿佐ヶ谷の喫茶ヴィオロンでの坪内逍遥訳娑翁朗読会の前座でソネットを原文と自分の翻訳で朗読する機会を得た。
 自分の翻訳は例会での学習の参考の為もあって一部朗読向きでない訳もあり、その朗読会を機会に新訳として改訂し、翻訳のテキストに用いたアーデン版の原文も併せてホームペイジに掲載した。
 その際、原文を自分でパソコンに打ち込んだため、打ち込みミスもいくつかあったが気付かないでいた。
 2019年1月から阿佐ヶ谷ワークショップで「ソネットを読む会」を開催するようになり、ホームペイジ掲載のオリジナルをコピーしてテキストに使用するようになって、間違いに気づいた個所を訂正していった。
 それを機会にこのたび、全文の原文(英文)の修正とあわせて、新訳の一部も訂正した。
 翻訳文そのものは原則的にはそのままで、大きな修正としては青年に対する呼びかけの'you'と'thou'を区別するため、「君」と「きみ」というふうに書き分けた。
 また、ネイティブの朗読では朗読者によってポーズの位置が異なることもあって、句読点の一部改正と省略なども併せて行った。
 ありがたいことには、このホームページをのぞいて下さる方がいて、ときどきその間違いを指摘していただいたこともあった。
 今回、ミスのほとんどを修正できたかと思うが、まだ見落としがあるかも知れないので、間違いに気づかれた方は、ご指摘いただければ幸いです。

2020年6月吉日

改訳前のシェイクスピアのソネット

1

最善の美

2

四十度の冬がきて

3

鏡に映る顔を見て

4

美しい浪費家よ

5

時の暴君から逃れるには

6

十倍の幸せのために

7

東方に輝く太陽のごとく

8

妙なる楽の音の君

9

世界を未亡人にする

10

心を改めてほしい

11

きみの複製を増やすこと

12

「時」の大鎌に立ち向かう

13

来たるべき終わりに備え

14

わたしの占星術

15

巨大な舞台の上で

16

君が生きる道

17

君は二度生きる

18

きみを夏の日に譬えようか

19

貪欲な「時

20

男にして女主人

21

真実の愛を語る

22

二人の心は一つ

23

せりふを忘れた役者

24

透視画法

25

愛し愛される幸せ

26

時節を待つ

27

昼も夜も休むときなく

28

悲しみは休む間もなく

29

わが身の不運

30

きみを思えば悲しみも消える

31

きみはわたしのすべてを所有する

32

愛と詩

33

地上の太陽

34

心の傷

35

愛と憎しみの内乱

36

一体の愛と二つの体

37

愛の接ぎ木

38

十番目の詩神

39

別 離

40

わたしの恋人を奪ったきみへ

41

二重の不実

42

恋人を奪われて

43

夢でしか会えないきみ

44

重い肉体、土と水

45

思いと欲望、空気と火

46

目と心の争い

47

眼と心の和解

48

きみが盗み出される心配

49

そのときに備えて

50

旅路の足取りも重く

51

渋る心と逸る心

52

幸福の鍵

53

変わらぬ心

54

誠 実

55

詩は永遠

56

二人を隔てる岸辺

57

恋は道化者

58

待つ身は地獄

59

太陽の下に新しきものは

60

「時」の侵食

61

眠れない理由

62

自惚れ

63

永遠に緑

64

有為転変

65

奇跡の力

66

こんなことにはうんざり

67

汚れた時代

68

偽りの技巧

69

朱に交われば

70

不品行の影

71

わたしが死んでも嘆いてくれるな

72

恥の上塗り

73

愛が募る時

74

詩人の魂

75

心の葛藤

76

古くて新しいもの

77

教 訓

78

きみはわたしの詩神

79

恩 恵

80

わたしは小舟

81

詩の力

82

虚飾の詩

83

賛辞に勝る沈黙

84

君は唯一無二

85

沈黙の称賛

86

わたしが敗北する時

87

束の間の夢

88

きみのためなら

89

我が身と戦う

90

捨てるなら今

91

喜びは人それぞれ

92

愛に死ぬ幸せ

93

見かけを信じて

94

石の表情

95

名刀も鈍となる

96

欠点さえも魅力に変える

97

きみなくば冬の思い

98

花と戯れる

99

すべてはきみから盗んだもの

100

怠惰な詩神

101

最上なるものを伝え残すために

102

沈黙の理由

103

君を語るには君を鏡に映せばよい

104

わたしが恐れること

105

真善美の三位一体

106

称賛する舌に欠ける

107

今や不安も去り

108

古色蒼然

109

きみがすべて

110

戻ってきた放蕩息子のように

111

憐れみが病を癒す

112

世評に耳を塞ぐ

113

見るものすべてが君と化す

114

眼が毒見する

115

愛は成長する

116

愛は変わらない

117

告 発

118

薬も毒となる

119

悪の恩恵

120

今こそ罪を償うとき

121

性悪説

122

心の手帳

123

真実一路

124

罪に生きる

125

真実の魂

126

自然の清算

127

美の基準

128

楽を奏でる貴女へ

129

天国と地獄

130

偽りの比較を超えて

131

蓼食う虫も好き好き

132

わたしを哀れと思って

133

九倍の苦しみ

134

彼女は貪欲

135

意あれば通ず

136

せめて名前だけでも

137

眼の過ち

138

嘘と誠

139

いっそ睨み殺されたい

140

わたしだけを見つめて

141

告 白

142

自業自得

143

見捨てられた赤ん坊のように

144

三角関係

145

命拾い

146

魂の勝利

147

恋の病

148

曇った眼

149

わたしは盲目

150

魔 力

151

愛の分別

152

誓い破り

153

焼け棒杭に火

154

愛は冷めず

 

 

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