僕の希望をつなぐ、何かしるしが欲しい、
僕の不安な気持を落ち着かせて眠れるものが。
僕の巣箱を甘く満たしてくれる蜂蜜が欲しい、
僕の恋の苦しみを鎮めてくれる最高のものが。
きみの手編みの飾り紐などが欲しいのではない、
そんなものは初めて恋をした若者が気まぐれに
結う恋の紐。愛情の程度を示すという指輪
も欲しくない。丸くて、飾り気もなく、
僕たちの恋もそうあるべきだと言いたげだ。
きみの手首を巻いている珊瑚もいらない、
手首と一体となって、
二人の思いは一つだと、これ見よがしだ。
きみの絵姿も必要ない、どんなに美しく、
どんなに、最高に描かれたものであっても。
才気あふれる言葉も必要ない、そんなものは
きみが寄こした手紙の中に溢れるほどある。
僕の宝を増やすために、あれもこれも贈る必要はない、
僕がきみを愛していることを信じてくれれば、それだけで十分。
【訳注】
原題:’Sonnet. The Token’
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