さあ、流れ星を捕まえてこい、
恋人参(注:1)の根に子を孕ませよ、
過ぎ去った歳月は一体どこに行ったのか、
誰が悪魔の足の爪を裂いたのか、
人魚の歌を聞くにはどうすればよいのか、
どうすれば嫉妬の針から逃れられるのか、
そして
どんな風が吹けば、
正直者が出世できるのか、教えてくれ。
生まれながらにして、見えないものが
見える不思議な視力があるなら、
一万の夜と昼を、馬に乗って駆けめぐれ、
君が白髪の老人となるまで。
戻ってきた時、君が出会った
不思議な出来事を話すだろう。
そして断言するだろう、
どこに行っても、
貞淑で、しかも美しい女はいないと。
もしもそんな女がいれば、知らせてくれ、
そんな恋路は楽しかろう、
いや、知らせないでくれ、行くのはよそう、
すぐにも逢える隣に住んでいようと、
君が逢った時には貞淑だったとしても、
君が手紙で知らせるまでは、
貞淑
だったとしても、
僕が逢いに行く頃には、男の二人や三人はいるだろう。
【訳注】
原題:’Song’
2 恋人参(マンドレーク)は、根が二股に分かれていて人間の形をしている。
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