41 唄 ジョン・ダンの部屋

 

さあ、流れ星を捕まえてこい、

恋人参注:1の根に子を孕ませよ、

過ぎ去った歳月は一体どこに行ったのか、

誰が悪魔の足の爪を裂いたのか、

人魚の歌を聞くにはどうすればよいのか、

どうすれば嫉妬の針から逃れられるのか、

そして

どんな風が吹けば、

正直者が出世できるのか、教えてくれ。

 

生まれながらにして、見えないものが

見える不思議な視力があるなら、

一万の夜と昼を、馬に乗って駆けめぐれ、

君が白髪の老人となるまで。

戻ってきた時、君が出会った

不思議な出来事を話すだろう。

そして断言するだろう、

どこに行っても、

貞淑で、しかも美しい女はいないと。

 

もしもそんな女がいれば、知らせてくれ、

そんな恋路は楽しかろう、

いや、知らせないでくれ、行くのはよそう、

すぐにも逢える隣に住んでいようと、

君が逢った時には貞淑だったとしても、

君が手紙で知らせるまでは、

貞淑

だったとしても、

僕が逢いに行く頃には、男の二人や三人はいるだろう。

 

 

【訳注】

原題:’Song’

 

2 恋人参(マンドレーク)は、根が二股に分かれていて人間の形をしている

 

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ジョン・ダン全詩集訳 宗教詩