きみの愛のすべてをまだもらっていないとすれば、
愛しい人よ、これから先もそれをもらうことはないだろう。
きみの心を動かす溜息は出尽くし、
流す涙は一滴も残っていない。
きみを贖うための僕のすべての宝物、
溜息、涙、誓いの言葉、恋文を全部使い果たしてしまった。
それなのに、愛の取引で交わされた以上のことは、
何一つ残されていない。
きみの贈る愛が部分的なもので、
一部が僕に、一部は他の誰かに渡るのであれば、
愛しい人よ、僕が君のすべてを得ることはあり得ない。
あの時きみがすべてを僕にくれていたとしても、
そのすべては、その時のきみが持っていたすべてでしかない。
その時、あるいはこの先、きみの心に、
他の男たちによって、新しい愛が生まれるかもしれない。
彼らは、涙も、溜息も、誓いの言葉も、恋文も、
そっくり手つかずで、僕に勝っており、
この新しい愛は、僕に新たな心配を産み出す。
なぜなら、この愛はきみが誓ったものではないから。
だが、きみがくれたものが包括的なものであれば、
大地であるきみの心は僕のもの。そこで何が産まれようと、
愛しい人よ、それはすべて僕のもの。
いや、僕は君のすべてを欲しいとは思わない、
すべてを得た者は、それ以上もらうことができない、
それに、僕の愛は日々成長していくので、
きみは新たな報酬を蓄えていかねばならない。
きみは毎日僕にきみの心をくれるわけにはいかない。
それができるとすれば、くれていなかったことになる。
愛の謎は、きみの心が出て行っても、
もとの処に留まり、失われることが、蓄えることになる。
だが、僕たちはもっと開放的な道を選び、
心と心を交換するより、二人の心を一緒にまとめ、
一つにすることで、互いにすべてとなろう。
【訳注】
原題:’Lovers’ Infiniteness’
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