24 贈られた黒玉の指輪 ジョン・ダンの部屋

 

おまえは黒いといっても、僕の心ほど黒くはなく、

脆いといっても、彼女の心ほど脆くはない。

おまえはいったい何を表わそうとするのか。僕たち二人の性質を、

永遠に続くものと、すぐに壊れるものとに象徴するとでも?

 

結婚指輪にはこんなものなど使わない。

ああ、どうしてまた、安物で、壊れやすいものが、

二人の愛を表象できるのか。おまえの名前にかこつけてこう言わせるためか、

わたしは安物、流行りもの、気軽に捨てて下さいと。

 

だが、来た以上、ここにいて、

彼女の親指を飾っていたように、この指先を飾り、

僕と一緒にいるのを誇りに思い、無事でいるのを喜ぶがいい。

誓いを破ったあの女なら、おまえなどすぐに壊してしまうだろう。

 

 

【訳注】

原題:’A Jet Ring Sent’

詩人は女性から贈られた指輪に話しかけている。銀で縁取られた黒玉の指輪は、当節流行の愛の徴であった。黒色は、非哀と謙虚の色で、変わることのない忠誠の徴でもあった。ダンの時代には、指輪を親指に嵌めるのが一般的であった。

 

 

 

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ジョン・ダン全詩集訳 宗教詩